建築写真日誌

2010年11月2日

躯体工事終了~寿命270年?の構造

床や梁を支えていた型枠や支保工を取り外しました。

これで、コンクリートの躯体工事は終了です。
o0389029210834084629
1階内部の様子です。

o0389029210834084622
コンクリートの床の上を清掃しました。

清掃直後でしたので、洗った水がまだ残っています。

内部も綺麗に打ちあがっています。

o0389029210834084612
2階の様子。

o0389029210834085204 (1)
コンクリート構造の寿命は、

コンクリートのかぶり厚さで決まるとされています。

かぶり厚さと言うのは、コンクリートの表面から、

中にある鉄筋までの最短距離を言います。

鉄筋コンクリート構造は、コンクリートと鉄筋が付着する事によって、

耐力を発揮しますので、鉄筋の表面にコンクリートがある程度の厚さが

必要です。

また、意外と火に弱い鉄ですが(弊社ホームページ、特長、耐火参照)

コンクリートが火から鉄筋を守る役割も担っており、大切な家族や財産を

守ってくれます。

火災が起きても避難時間の確保が出来る部分で、多くの人が集まるビルや

劇場、映画館などの施設(札幌ドームもそう)は

鉄筋コンクリート構造になっているのはその為です。

また、木造や鉄骨造と違い、火事が起きても、構造に影響が無い場合が多く、

燃えた内装部分をやり変えて、お住まいいただけるメリットもあります。

火災保険料が、非常に安いのはその為です。

o0389029210834085204
さて、かぶる厚さが大きく関わってくるのは、建物の寿命です。

コンクリートは最初アルカリ性の性質を持ち、中の鉄筋の酸化を防止しています。

一般に、コンクリート構造の寿命は、雨、空気等によりコンクリートが、

表面部分から中性化され、中の鉄筋が酸化されるまでの年数とされています。

コンクリートが中性化されづらくするには、セメントと水分の

割合を少ないほど有効なのと、かぶり厚さが厚ければ、

鉄筋までの距離が取れるので、これも有効とされています。

一般のコンクリート構造では、中性化深さの計算式上で

算出される年数が45年から60年とされ、

法定耐用年数の47年もそれによって出せれた数字と思われます。

今回の現場の水とセメントの割合と建築基準法上のかぶり厚さで

計算してみると97.3年が寿命と言う数字になりました。

実際は、弊社では外壁側は標準かぶり厚さ以上にコンクリートを

増コンして打っていますので、その厚さでいくと計算上で270.3年と

出てきます。

弊社以外では、増しコンしていないところも多く、

コンクリートもそれなりのものも多いので、

耐用年数以外の部分でも、性能の差が出てくるかもしれません。

また、外壁表面に劣化防止剤や塗装など保護材を塗ったり、

タイルを張ったりしてコンクリートを保護しており、

雨など染み込みづらくなっていますので

もっと計算上の寿命は延びるのではないかと思われます。

(特にタイルを張ると、その厚み分、長く持つでしょう。)

これは、コンクリートの中性化の実験式にあてはめて、出した年数ですので、

100年、200年寿命が持ちますと言うわけではありません。

強い雨風、厳しい北海道の気象条件や、

メンテナンスも、まったく手を入れない建物と、まめに手を入れる建物など

お住まいされる差によって建物寿命も変わってくると思いますが、

弊社で現在1975年から約35年間コンクリート構造の建物を管理して

いますが、今まで、道路拡幅などの立ち退き以外で、

解体したことが聞いた無いので、普通にお住まいいただけても

法定耐用年数の47年は、十分持つのではないかと思います。

まあ、他の構造と比べれば、20,30年後の建て替えや大規模修繕のリスクは

かなり、低いとは思われます。

ひょっとすると、何代にもわたって手を入れていっていただければ、

計算上の年数は可能なのかもしれません。

「あの家は、2世紀前からある。」「この家は曾(ひい)おじいさんが建てた家だ。」

となれば、こちらとしてもありがたいです。

o0389029210834085203
屋上も清掃しています。

こちらの住宅も、最善を尽くして完成させて、

ご家族が末永く幸せに暮らせる家になってもらえれば、とてもうれしいです。